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グリダニア旧市街/園芸師ギルド

忘れたころに届く便り

The harvest

BACKGROUND STORY

『女の話と秋の空』

 そうそう、はるか東方の国には、季節の移り変わりがはっきりとしている地域もあるらしいんです。春には満開の花が咲き乱れ、夏には涼を求めて海や川へ人が集まる。やがて夜が長くなって、広葉樹の木々が色づく秋を越え、そして冬には寒さが苦手な生物たちが十分な栄養を蓄えたのちしばしの眠りに就く。グリダニアにはそういう分かりやすい季節の変化というものはないように感じるけれど、この園芸師ギルドで栽培される花々や作物はある一定の周期で収穫されていて「ああ、もうそんな時期なのか」と気づかされることが多くて。

 たとえば、この大きなパンプキン。もちろん普段から色んな料理やお菓子に使われるものでもありますけど、おそらく今年も開催されると思いますがが、「守護天節」の飾りつけなんかにもよく使われていて…あなたも冒険者なら一度は見たことがありますよね?だからこれを見るたびに、もうすぐお祭りだってワクワクする気持ちになるんです。それと同時に、守護天節が終わればこの一年もあと少しなんだなって、ちょっとだけ寂しくも感じますね。

 そうだ!祖父から聞いた話を思い出したんですが、人が年齢を重ねるにつれて時間の進み方が速く感じるようになってしまうのは、大人になると新しい知識や体験を取り入れる機会が少なくなってしまうからなんだそうです。たしかに毎日仕事や家事の繰り返し。もちろんそれも毎日の暮らしには必要で大事なものですが…。代わり映えのしない日々のなかで、どうやって刺激を与えてくれるものを見つけるか。なかには偶然見つけたり、教えてもらったりして見つけられるものもあるかもしれませんが、自分から探そうとしない限り発見できないもののほうが多いと思います。

 あれ?なんか、ちょっと話が逸れちゃいましたね。何の話からこうなったんでしたっけ?あ、最近風が冷たくなって肌寒い日が続いてるねって話でしたよね。思い出しました。そうそう、それで…